明日もいっしょにおきようね
生き物を飼う、すべての人達に読んでもらいたいお話です。
捨てられた犬や猫が集められる保健所。
もらい手が見つからないと【処分】されてしまう命達。
そこに、職員に許可をもらい、毎日のように仕事帰りに通う女性がいました。
『捨てられたって、おなかいっぱいに食べさせてあげたい』
『最後まで、キレイなところで寝かせてあげたい』
そのような思いから、不幸な犬や猫達の世話をしていました。
寒い冬のある月曜日。
その女性は、一匹の大きな雄猫と出会います。そしてその猫を『でかお』と呼ぶことにしました。
それからというもの、『でかお』の事が気になってしまいます。
ですが引き取ろうにも、家にはすでに保護した猫がたくさんいて、それ以上増やすことが難しい状態でした。
『でかお』が収容されていた施設は、毎週水曜日が【処分日】でした。
その女性は、引き取れなかったことを心の中で謝り続けました。
水曜日に施設に行くと、昨日までと変わらない『でかお』がいました。今回はたまたま施設の都合で処分が行われなかったのです。
それを知り、安堵を覚える女性。これで次の水曜日まで、生きることができる……
どうしてかわからないまま『でかお』のことが気になって仕方がありません。
木曜日、仕事が遅くなり『でかお』に会いに行くことができませんでした。
すでに頭の中は『でかお』でいっぱい。
ついにその日の晩に、『でかお』を引き取る決心をつけました。
金曜日、『でかお』を迎えに行きました。しかし、施設につくと『でかお』の姿がありません。
職員にたずねると「さっき処分したよ」との返事がきます。
「水曜日に【処分】できなかったから、今週中にしておかないと、また来週、犬や猫がたくさん持ち込まれたりしたら困るからね」
職員は、部屋のすみにある冷凍庫を指差します………
これは、2009年に岐阜のある保健所で実際にあったお話だそうです。
筋弛緩剤を打たれ、1時間以上も冷凍庫に入れられていた『でかお』。
元々は誰かの飼い猫でした。
日本では毎年20万頭以上の犬や猫が【処分】という名目で殺されています。
だからと言って、無理して犬や猫を飼う必要はありません。
大切なのは《一度飼うと決めたのなら、最後まで面倒をみる》ことなのですから。
タイトルが気になる方は、実際にこの本を手に取り読んでください。
そして、涙を流してください。